大判焼はなぜ“大判”焼?
鯛焼きは鯛の形に焼いたものだから鯛焼きですよね。
では大判焼はなぜ大判焼というのでしょうか。
大判焼と似たもので小判焼という楕円形の焼き菓子がありますが、これは江戸時代の通貨である小判の形をしているからでしょう。
大判という通貨もありましたが(大判小判がザックザク、と言いますよね)、形は小判と同じ楕円形です。
まん丸だろうが楕円だろうが、丸いものの代表として大判から名前を取ったのでしょうか。
丸くておおきなおまんじゅう、という意味でこう呼んだのかもしれません。
こうした形状に基づく説の他に、小説のタイトルから来ているという説もあります。
その小説とは、獅子文六の『大番』。
『大番』は1956年から1958年まで週刊朝日に連載された小説で、1957年に同タイトルで映画化もされました。
(続大番、続々大番、大番完結篇まであるらしい!)
この映画がきっかけで大番と呼ばれるお菓子が作られ、舞台となった愛媛県宇和島市の名物となりました。
やがて大番が転じて大判焼と呼ばれるお菓子が生まれ、全国に広まったということです。
大判焼と並んでよく言われるのが今川焼。
この呼び名は、江戸は神田の今川橋付近で焼き菓子が売り出され、有名になったことで、一般に使われるようになったのだとか。
江戸が発祥なので、主に関東地方でよく言われる呼び方のようです。
関西などでは回転焼という呼び方もよくされていて、これは鉄板を回転させて焼くからでしょう。
呼び方はいろいろですが、どれも小麦粉を使った生地の中にあんを入れて焼いたもの。
昔から全国で親しまれているお菓子です。